5.他にもこんなことが心配!

◆原発のある地域の経済はどうなるの?

原発が存在する地域(立地自治体)は、原発があることによって、

以下のような様々な方法で財政が潤ってきました。

 

・交付金(国からの補助金)

・電力会社等からの寄付金

・設備の建設や修繕のための工事

・定期検査などのために地域外から来る人の宿泊・生活費

 

したがって、これ以上原発が稼働しないということになれば、

立地自治体の経済に大きな影響を与えます。

 

そのため、原発への依存度を減らしていく過程では、

立地自治体への経済的影響を緩和することが絶対に必要になります。

これらの方法としては、

 

・脱原発を進める過程で交付金を支給する

・再生可能エネルギーの工場を誘致するなど、新たな産業を興す

 

などが提案されており、今後検討を具体化することによって、

立地自治体への影響を最小限にしつつ、

新たな産業振興のきっかけとすることが期待されます。

 

詳細は「代案はあるの?」で紹介した各案をご覧ください。

◆日本の安全保障は大丈夫?

原発依存から脱却する上では、安全保障の視点も指摘されます。

 

(1)化石燃料(天然ガス、石油、石炭等)への依存が増えることによって「エネルギー安全保障が脅かされる」

 

日本は資源のほとんどを輸入に頼るため、

海外からの輸送の際に船が安全を脅かされたり、採掘している国での政情不安が起き、

安定的に化石燃料を確保できなくなる可能性が指摘されています。

原発依存度を減らしていくと、現状では当面は相当程度を火力発電に頼らなければならなくなるため、

この危険性がさらに増すと指摘されています。

 

このような事態を避けるため、燃料を輸入する電力会社や商社などによって、

調達先の多様化が既に実行に移されています。

今後もこの取り組みを進めていくことが求められます。

 

(2)潜在的な核保有国としての防衛力の低下

 

「原発は潜在的な核保有と同じ」と言われることがあります。

これには、主に二つの側面があると考えられます。

 

A. 核技術を持つこと

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核分裂を起こし、その反応を制御する仕組みは、核兵器に応用することができます。

そのため、原発を持ち、安定的に運用することは、潜在的に核兵器開発能力を持っていることを

示しているとされます。

 

B. 核兵器の原料となるプルトニウムを保有すること

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再処理の際に生み出されるプルトニウムは核兵器の原料となります。

そのため、A. 各技術を持つこと と併せて、

核兵器の原料をも持ち合わせていることになります。

 

自民党の石破幹事長(当時政調会長)の見解をご覧ください。

日本の安全保障政策上、核兵器を持つ必要があるのかどうかという議論は

ここでは置いておきます。

仮に核兵器開発能力やそのための原料を持つ必要があるという考えが一定の理解を得られるとしても、

そのために民間の電力会社の保有する、一般市民への電力供給のための原子力発電所を

大地震、津波、火山噴火、テロなどが懸念される

日本全国に持つことの理由になるのでしょうか。

 

安全保障とは、本来その国と国民の安全を守るためのものであるはずですが、

現在の原発を巡る状況では、国民の生命を危険にさらすリスクの方が高いと思われます。